①疲労骨折の初期症状は「痛みがとれにくい」
「痛みがなかなか取れない」、「痛み方がいつもと違うような気がする」。このような痛みは疲労骨折を起こしている可能性が考えられます。疲労骨折は一般的な骨折とは異なり、痛みはあるものの患っても日常生活やランニングなどの運動が行えてしまうのです。痛みを我慢して運動を続けていると、運動を長期的に中断しなければならないこともありますので、外傷がないのに運動中の痛みが続くようであれが早めに整形外科などを受診するようにしましょう。
②疲労骨折の原因
疲労骨折の要因には、年齢や性別、体力・体格・アライメントなどがありますが、ここでは「骨密度(骨の強さ)」と「栄養要因」について触れたいと思います。一般的に骨密度が低いと骨折しやすいと言われていますが、実は骨密度は20歳前後を境にほとんど上げることができないのです。20歳以降は骨密度をいかに下げないようにできるかが鍵になります。また、疲労骨折が起こりやすい要因として、カルシウム不足やビタミンD不足、エネルギー不足があります。
③骨密度維持にはカルシウムとビタミンDをセットでとる
カルシウムは骨の主要な構成成分ですが、単体での吸収率は決して高くはなく、年齢にもよりますがおおよそ20~30%程度であると言われています。カルシウムが多く含まれる食品には牛乳・乳製品や青菜類、小魚類、骨ごと食べられる魚の缶詰、大豆製品などがあります。牛乳・乳製品でカルシウムの必要量を全て摂取しようとすると、脂質の摂取量の増加につながる可能性があるため注意が必要です。牛乳・乳製品以外の食材もうまく活用しながらカルシウムの摂取をしていきましょう。ビタミンDの役割は、小腸でのカルシウムの吸収を高めることですので、ビタミンDの摂取不足は体内のカルシウム濃度低下につながり、骨密度の低下につながる可能性があります。実際に血中ビタミンD濃度が低いアスリートでは疲労骨折のリスクが高いという研究報告も。ビタミンDが多く含まれる食品には、魚類やきのこ類、卵などがあります。摂取のポイントはカルシウムとビタミンDを同じタイミングでとること。1食でこれらの食品を組み合わせられるといいですね。
[カルシウムとビタミンDが多い食品の例]