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【スポーツ栄養コラム vol.6】パフォーマンスに直結する「鉄欠乏性貧血」

2024年8月22日

鉄欠乏性貧血を疑う症状

鉄欠乏性貧血(以下、貧血)は、特に長距離ランナーで起こりやすく、発症することで持久力の低下に直結する障害です。貧血では、全身の細胞に酸素が行き渡らないことで組織や臓器の酸素が欠乏するため、様々な症状が起こり、女性では月経が来なくなることも。また、急に立ち上がった時などにふらつく、いわゆる「脳貧血」は正確には貧血ではありませんので、鉄欠乏性貧血とは分けて考える必要があります。

[貧血を疑う主な症状]

血液の働きと鉄欠乏性貧血

血液には、酸素や栄養素、ホルモンなどの生きていく上で欠かせない様々な物質の運搬、不用物の回収、細菌・ウイルスからの防御、出血時の止血など多くの働きがあります。血液は様々な組織からできていますが、その中でも貧血と関連が深いのが赤血球と、その構成材料であるヘモグロビンです。酸素の「運搬係」であるヘモグロビンは、酸素濃度の高い肺で酸素と結合し、全身を巡ります。そして酸素濃度の低い組織で酸素を手放し、全身の組織へ酸素を運んでいます。ヘモグロビンは、鉄(ヘム)と、たんぱく質(グロビン)が主成分であるため、これらの栄養素が不足すると十分な量のヘモグロビンが作られず、酸素の運搬能力が低下するため、貧血になってしまうのです。

[赤血球の仕組み]


[ヘモグロビンと酸素運搬]


ランナーが陥りやすい貧血

貧血には種類があり、その中でも特にランナーが気をつけたいのが、鉄欠乏性貧血と溶血性貧血です。鉄欠乏性貧血の要因には、鉄の摂取不足の他にも、筋肉量の増加や大量の発汗、また女性の場合は月経などが挙げられるため、ランナーは一般の人よりも鉄欠乏性貧血に陥るリスクが増大します。また、溶血性貧血とは、足の裏の血管が衝撃などで圧力を受け、赤血球が破壊されて(溶血)ヘモグロビンが赤血球の外に出てしまう貧血です。足の裏に衝撃のかかるランニングや剣道などといった種目でよく見られます。

次回は、貧血にならないためにはどのような食事や生活を意識していけば良いのかについてお伝えさせていただきます!お楽しみに!

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