コラム

【スポーツ栄養コラム vol.10 】睡眠と栄養の関係性

2024年10月21日

①睡眠の質の向上でコンディションを維持しよう

「みなさんは1日にどのくらいの睡眠をとっていますか?必要な睡眠時間は、一般成人の場合7~9時間が求められていると言われています。睡眠全体の75%を占めるノンレム睡眠(深い眠り)は、主に筋肉や骨の成長と修復に、睡眠全体の25%を占めるレム睡眠(浅い眠り)は主に神経機能に働き、記憶の定着や運動スキルの獲得に影響を与えます。また、骨や筋肉の修復や健康維持に欠かせないホルモンである成長ホルモンは、低年齢時と比べて分泌量は減少しているものの、大人になってからも分泌されています。この成長ホルモンの分泌が高まるタイミングはノンレム睡眠時と言われていますで、質の良い睡眠をとってパフォーマンスの維持・向上を目指していきましょう。

②睡眠の質を上げるための食事のポイント


【トリプトファン】
タンパク質を構成する20種類のアミノ酸の一つであるトリプトファンは、睡眠を促すホルモンである「メラトニン」の生成に関わっています。 トリプトファンからセロトニンが合成され、日光の刺激によって日中に分泌されます。日中に分泌されたセロトニンは、日没に近づくにつれてメラトニンに変化し、睡眠を促します。トリプトファンからメラトニンが生成されるまでには、14~16時間かかると言われており、朝食でトリプトファンが多く含まれる、乳製品や大豆製品、米、卵、バナナなどをとることで睡眠の質の向上が期待できます。

【GABA】
GABAは、中枢神経の興奮を抑える効果があり、末梢の自律神経系で交感神経を抑えて副交感神経を優位にして入眠を助けると考えられています。GABAは、発芽玄米、玄米などの穀物、キムチなどの発酵食品、とまと、ケール、バナナなど食品に多く含まれています。

【グリシン】
グリシンは、タンパク質を構成する20種類のアミノ酸の1つであり、すみやかに深睡眠をもたらし、睡眠の質の向上(熟眠感の改善、睡眠リズムの改善)や、起床時の爽快感のあるよい目覚めなどの効果が期待できると言われています。エビ、ホタテ、カニ、牛スジ、鶏軟骨、豚足、大豆製品、うなぎ、 鶏肉。などの食品に多く含まれます。また、グリシンはサプリメントとしても注目を集めています。

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