コラム

【スポーツ栄養コラム vol.7 】「貧血」予防・改善のための食事のポイント

2024年9月5日

①鉄とたんぱく質の摂取を3食で意識する

前回のコラムでお伝えしたように、ヘモグロビンの構成材料は「鉄」と「たんぱく質」。この2つの栄養素を毎食の食事で適切に摂ることが必要です。特に鉄は意識して摂ろうとしないと不足しがちな栄養素の一つ。アスリートの1日の鉄の必要量は、運動量にもよりますが、15.0~18.0mgと言われています。これを3食の食事に分けると1食で5.0mg以上の鉄の摂取が必要ですので、毎食の食事で摂取を意識していきましょう。

②ビタミンCで鉄の吸収率アップ

食品に含まれる鉄には、吸収率の高い「ヘム鉄」と、吸収率の低い「非ヘム鉄」の2種類があります。鉄の必要量が高まるランナーは、非ヘム鉄の吸収率を高めていくのがポイント。非ヘム鉄はビタミンCと同じタイミングで摂取することで吸収率を高めることができますので、この2つの栄養素が多く含まれる食品を1食の中で組み合わせた食事をとっていきましょう。日本人の食事では、非ヘム鉄からの鉄の摂取も多いのでビタミンCの摂取は重要ですが、ビタミンCは体内に蓄えることができない水溶性ビタミンに分類されるため、積極的に食事から摂る必要があります。

[非ヘム鉄はビタミンCといっしょに摂ろう]

③エネルギー不足にも要注意

運動量が増えるランナーは適切な食事を取らないことが続くと、エネルギー不足に陥ってしまいますが、そういった状態では、貧血のリスクが上がってしまいます。必要な量のエネルギーや栄養素が食事からとれていれば問題ありませんが、「フルマラソン前は走る量が増えて体重が急激に減ってしまう」、「練習後は食欲が出ず、食事をとれないことがある」などの悩みがある方はぜひ補食を取り入れてみましょう。補食とは、3食の食事では摂りきれないエネルギーや栄養素を補うための軽めの食事、間食に近いものです。ポイントは、自分に足りていない栄養素を補える食品を選択すること。自分にぴったりの補食を見つけてみるのもおすすめです。

[補食を活用しよう]

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